多摩の住みたい場所ランキング?? ”多摩地域データブック”より

多摩地域データブック」という統計資料が出ました。(公益財団法人 東京市町村自治調査会編)

この統計は年度末になると発行され、多摩地区の人口・土地・産業・都市基盤・環境・福祉などの行政運営上必要なデータを、市町村別に網羅的時系列的にまとめたものになっています。もちろん市町村別の統計分析は、行政機関のみならず民間企業(ポスティング屋も!)のマーケティング分析でも重要な関心課題になることは言うまでもありません。

ポスティング屋的には市町村単位ではなく、市町村の町丁目別のデータを利用したいのですが、市別でも時系列の変化に視点に置くと面白いことが見えてきます。

棒グラフ

◆人口動態を住む町人気ランクとして見てみると・・

島しょ、奥多摩、檜原と東京の最ローカル地点は流出が多く不人気。青梅線沿線の羽村、福生、青梅も苦戦。八王子、立川もあまりよくない。我が日野市は真ん中ぐらい。毎年のように大規模マンションが分譲されている多摩市が気を吐いて1位。2位は若者の人気スポット吉祥寺を擁する武蔵野市。狛江が3位。データの横を見れば特別区がものすごく高い。

おんや?要するに三多摩ではJR中央線沿線、新宿アクセス良好の小金井に国分寺、区部横の小田急沿線狛江市、京王府中と、都心にアクセスしやすい場所が人気ジャン。これだね。

変動要因別人口(下表)で実数を確認して見るとやはり区部の増加がとにかく大きい。自然増減、他県からの移動増減、都内間移動増減でもすべて増。 多摩地区も全体では+6977人で増加している。だけどこれは他県からの流入人口差引12486人で補っているから。都内間移動では-3337人、自然増減も-1723人で、全体だと区部の6万4千人増に比べ約1/10。

これはどういうことなんでしょうか?

多摩の住みたい2

要するに全国から見ると東京はいまだ人気で、みんな区部に来たがり憧れる。東京都内でも山間島しょ部は敬遠され、とにかくより都心に1mmでも近い場所に引越したがっているということですね。

都内や湾岸地域にタワーマンションでも出来れば我先に多摩のマンション持ち家を売って移り住むということでしょう。巷で言われている「地方の衰退」「都心への回帰」が具体的な形で裏付けられている・・と言えば簡単ですが、東京の多摩でさえもこの状態なのに、地方の状態はもっと酷いことになっているのではないでしょうか。個人的には住むなら”多摩”って思うんですが。

マーケティング的には目先の株価、安倍ノミクスなどに浮かれて「東京で成功したから、今度は地方だ!」なーんて軽く考えて地方進出すると大失敗しますね。

 ◆場所の人気と地価

弊社は不動産業のお客様が多いいので、物件チラシを毎日のように見ているのですが、近年の八王子市日野市近辺の物件価格は、消費税増税騒ぎと株高が進行したときに少し上がって、というより下げ止まったように見えました。また、消費税増税後でも物件不足と政府の補助金政策なのかそのままで推移でしたが、今年になり特にここ最近、物件が余剰になってきたか、単に売れないのかはわかりませんが、価格が下がり気味で明らかに失速したのでは?というような感があります。八王子市日野市近辺の不動産人気は中立からやや下降気味というのが私の実感で、同データブックの公示地価編(下表)だと平成26年度の宅地価格は多摩全体で少し上がっていますが、今年~来年再来年辺りには、良くて横ばい下手をすればストンと落ち込むような気がしてなりません。これに平成29年4月の消費税10%増税が追い打ちをかけるのです。

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今日は、詳しく書きませんが、日本ではこれに高齢化と生涯未婚化が加わります。不動産販売にはこれは逆風です。

ポスティングではより細かいエリア分析、物件分析、ターゲット分析が求められてくることは言うまでもありません。浮かれずに締めてかかる方が賢明です。

ハウスオーナーポスティング発表。

ポスプロでは、従来の経験と手法を基に戸建と高級マンションのみにポスティングする”ハウスオーナポスティング”というサービスを始めました。また、純粋にファミリー世帯のみをポスティングするサービスを新たに ”ファミリス”と命名しました。

 

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↑このGPS事例は、南大沢周辺ハウスオーナーポス2万枚の例です。

 

◆ポスティング広告におけるマーケティング戦略

私は、ポスティング広告におけるマーケティング戦略を重要視します。例えば当社のポスティング部数表を見ていただくと分かるのですが、八王子市、日野市、多摩市の分譲住宅だけをチョイスして撒くことが出来ます。これは、20年前に当社が最初に八王子、日野地区で行ったことで、UR・公営団地部数表も分譲と賃貸に分けてあります。

ポスティングで高い効果を得るには、単にベタで撒くということだと成功しない場合が少なからずあります。最近は特にワンルーム、1DK住人が物凄い勢いで増えている。だからこそ、商品のターゲットが明確ならそれに応じたセグメントが必要です。

 

◆駅周辺、大学周辺ポスの落とし穴

現在、八王子市、多摩市、立川市辺りのターミナル駅周辺で軒並みポスティングすると、チラシが枚数の割にワンルーム.1K.1DK世帯ばかりに入り思う反響が得られない状況があります。ファミリー対象の商材の宣伝の場合特にこの傾向は顕著に表れます。なぜでしょうか?大きな駅周辺は、対象となる戸建が物凄く少なく、マンションも工夫なく撒くと断られるばかりになります。結果、ワンルーム.1K.1DKに大量に入り終了ということに・・単純にポスティングを昔の折込広告の代わりと考えると失敗する事例です。この失敗は八王子では特にマンモス大学周辺でも同じ傾向になります。大塚地区や南大沢、堀之内地区でのノンセグメントのポスティングは、命取りになりかねません。ポスティングはセグメントが大事です。

 

◆セグメントとは?

セグメントとは、似通った購買行動を取る集団を仕分ける為の軸は何かを探ることです。ポスティングの配布計画では、家の外観、様態、場所からいかに適切なセグメントを抽出するのかということになります。配達員への指示も明確で分かりやすく、漠然としたり恣意的な判断にならない要因を選ぶことも必要です。

では、家のセグメントでまず重要なことは何か?私はファミリー層か一人暮らしかということをまず見極めることが重要と考えます。これは先ほども触れたように、結婚をしない若者が増え続け、生涯未婚率が右肩上がりを続く昨今では特に重要です。配達ではマンションやアパートのベランダや窓が一間かそうでないかで見分けがつきます。

次に重要なことは、持家かそれ以外かということです。戸建は外観で持家と判断します。集合住宅の場合、分譲された民間マンションや公団分譲の住人世帯かということで持家と判断します。これも建物の外観や公開情報から抽出できます。ただ一戸建てでも借家もあるだろう?ということですが、昭和30年後半から40年代にかけて盛んに造られたいわゆる文化住宅は一様に外観で見分けがつきますから当社の部数表では戸建カウントしません。国勢調査のデータを単に部数表にするとこの辺で大きな齟齬が生まれます。最終的にマーケティング的に意味ある部数表は実際に撒いて確定していくしかないのです。当社では持家のファミリー世帯までセグメントして配ります。

 

◆ファミリー層への浸透方法の最良策を探ると・・

以前は、ターゲットが家族層と言えば折込広告で決まりでした。ネット時代よりはるか以前・・新聞購読率が優に90%を超え、25歳を過ぎれば皆結婚していた時代。あとは地域を選ぶだけということだったのです。一家に新聞は当たり前で取らないとテレビの番組表が手に入らなかった時代でした。

ですが、今ではそうはいきません。ブロードバンド元年が2002年。で、これから家を買おうという世代つまり・・30代40代の方が当時20代だった若かりし頃、ブロードバンドから有線回線、光回線の洗礼を受け青春の全盛期をネットと過ごした彼らの実際の宅配新聞購読率はかなり下がってきています。新聞だけではなく紙媒体全体、折込もポスティングも紙媒体で両方不要となりつつある・・との意見もあります。確かにそうした側面も否定できませんが、逆にネットが当たり前になった今、店舗の充実度もマス広告の露出も同じ競合企業が、さらに他社と差別化を図るツールとしてポスティングを利用するというシーンはまだまだあります。(不動産・・スポーツクラブ・・ピザ屋さんetc)ポスティングは、いまだに会社のやる気を見せつける重要なツールなんですね。

当社ではこの更なる企業様間の競争、差別化戦略にお応えすべく、セグメント技術に磨きをかけております。このほど、よりファミリー層のセグメントを明確にすべく新商品を開発いたしました。

 

◆ハウスオーナーポスとは?

戸建セグメントはもちろん、民間分譲マンションと公団分譲団地をリスト化、リストに載った分譲の集合住宅と戸建のみを撒くサービスを”ハウスオーナーポス”としてセット販売いたしております。このセグメント条件の最大の特徴は、資産=家=ストックを予め持っている世帯を対象としています。この層について私は、他とは違うライフスタイルが必ず現れるはずと考えています。対象としては、不動産業者様の物件募集チラシはもちろん。土地活用案内、銀行証券会社様での資産運用案内や投資、年金活用案内。その他リフォーム業様、民間老人ホームの入居案内、墓所墓石販売業者様です。これらの業者様には大変好評に利用していただいております。

 

◆ファミリスポスとは?

また、戸建セグメントにファミリータイプのアパートマンション、UR公営の集合住宅を加えたものも”ファミリス”としてセット販売しております。これは、セグメン条件を純粋にファミリー層としてターゲットを絞ったものです。対象業種様は、主に学習塾や通信教育業者様の生徒募集、宅配寿司屋さんのメニュー配布、オーガニック食品の宅配事業者様等に利用いただいております。

また、従来からの分譲マンション、建売業者様に好評をいただいておりましたファミリータイプのアパマンのみに入れる商品も”ファミリータイプアパマンポス”として変わらずで部数を取りそろえております。アパマンポス共々ぜひご利用ください。

 

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GPS画像は日野市ファミリータイプアパマンと分譲団地、高め賃貸団地で二万枚の事例

 

ポスティング屋が調べた新聞購読率

かねてからやってみたいと思っていた新聞の購読率の実態調査をしてみました。
ポスティング屋の視点ですから、単純な購読率の調査ではなく”折込広告の到達率の現在と今後を占う”ということになります。

結果から言うと・・
ポスティング屋が調べた東京多摩地区、月ぎめ一般紙の投函率(朝刊のデータ)は、ファミリー賃貸物件で20から40%程度。分譲マンションで50%前後。ワンルームでは5%以下。ちなみに戸建てでは60%から場所によりそれ以上。

まず参考として新聞協会のデータですが、これが凄い。
なんと新聞の戸別購読率が1999年から2009年までで93%から94%付近で推移しながらも上昇し、2009年ではなんと94.73%の数字を叩き出している。1世帯あたり部数は東京で0.91部

http://www.pressnet.or.jp/data/01cirtakuhai.htm
http://www.pressnet.or.jp/data/01cirken.html

いやはや、これは筆者の遭遇している実態とは違いすぎ。もう一度よーく表を見てみると夕刊も分母に入れている。さっそくそれを差しい引いて計算しても0.86部である。新聞広告協会の数字であるから業界的手前味噌が効きすぎているのか、味が濃すぎる。この数字ではまったく納得できません。

私が調べたいのは折込広告の到達率なので、夕刊のデータは不要。朝刊の投函率です。そこで折込広告の部数表に当たってみた。
http://www.orikomi.co.jp/Service_Information/Orikomi/Circulation_List/PDF/13.pdf
八王子市では世帯数に対しカバー率67%となっている。ただこれには日本経済新聞も入っていて、広告効果判定という点では???。セオリーどおり日経は無条件で分母から引かせてもらう。さらに朝毎読共、オフィス、工場、役所が取っている分がおよそ5から10%とみて8%ほど引く。またさらにロスが数%は絶対にあるので、これも引く。ちなみに筆者は折込広告会社に五年勤務し、学生時代は新聞配達を二年やった実務経験者。

まあ実態はまた別なところで・・(^^;)そうするとトータル八王子市では56%になる。

新聞購読1

新聞購読2

実態にようやく近づいてきた感じですが、プロのポスティング屋の嗅覚からだとまだピンと来ない。

経験だけでああこう言っても信用されませんし、本人の錯覚もあるかもしれない。そこで取材してみました。土日の早朝 6時から7時の間のマンションのポストにどれだけ新聞が刺さっているか調査しました。

調査対象は、築5年~10年程度のファミリーマンション。オートロックに阻まれドアポストまで行けなかったのか、新聞が1階の集合ポストに配られいるマンションをチェック。朝刊の投函率は私の見立てで大まか20%~40%には達しないというところ。

まあ、新聞屋さんの応援をすると、通常新聞屋さんは、オートロックであろうが、管理組合と話し合い、通用門とか合鍵、共通暗証番号を特別に配分してもらい毎日ドアポストまで朝刊を配達している。私の調査は一階の集合ポストに止む無く投函しているマンションの話。だから写真のような集合ポスト投函のマンションは少数派。

ドアポストまで配達されているマンションを含めると、購読数は若干増えると思うので、トータルだと八王子周辺ファミリーマンションの新聞購読率は40~50%弱ぐらいではないだろうか?

では、若者中心のワンルームマンションはどうか?私の感覚では新聞投函率は10%をとうに切ってます。調査するとやはり惨憺たる結果で、20件に一軒ぐらいしか新聞が入っていない。(右側の写真では白く頭が出ているのがちらほら見えるが、それはお知らせの情報誌。)ドアポストでもおそらく十軒に一軒あるかないかだろう。単身者や若者はネットとTVで情報を得て、既に紙の新聞を読むという習慣がないのかもしれない。

新聞購読3

新聞購読4

調査したファミリーマンションは新築のマンションではないから、世帯主の年齢は概ね40歳以上なはず、まだまだ新聞が手放せない世代。だが、ブロードバンド元年の2001年からもう9年。インターネットが普及し始めてもう10年以上。そのとき学生だった世代はもう30歳。既に月ぎめ新聞購買率が10%以下のワンルームに入っていたこの層が今から今後結婚しファミリータイプの賃貸アパートなどに入り、ゆくゆく分譲マンション、建売住宅などを買うのだろう。この方たちが結婚したからといって、急に新聞を取って月ぎめ新聞の購読率56%維持に貢献?とはとても思えません。ネットから得る情報のパイはますます増え、月ぎめ新聞の購読率はますます減っていくでしょう。

ポスティング屋が調べた東京多摩地区月ぎめ一般紙の投函率は、朝刊ベースで、ファミリー賃貸物件は20から40%。分譲マンション40~50%前後、ワンルームでは5%以下。ちなみに戸建てだと60%以上か。

折込広告は、ネットの浸透に伴う情報の電子化による新聞の発行部数、とりわけ月ぎめ購買数の減少と共に衰退していくことが確実。若者層への訴求力は既にない。但し、一戸建て層への訴求、50歳以上への訴求効果は、現在でも一定の効果が見込まれるのではないでしょうか。