ポスティングの業者をしていると、年々ワンルーム、1K、1DK・・いわゆる単身者向けアパート・マンションが物凄い勢いで増えているのを体感します。特に駅周辺で顕著に感じられます。
最新の調査によると、生涯未婚率が男性で4人に1人だそうです。すると「4人に1人は単身で住んでいる?」とは単純には言えませんが、大まかな最近の傾向は掴めるのではないでしょうか。
単身者の住むポスト数は、この4人に1人に、親と同居している方をまず引いて、離婚や死別が原因の独居者を合わせると大体出てくるはず。
ちなみに2016年度の婚姻届数に対する離婚届の数の割合はなんと28%。夫婦3組に1組は離婚しているといわれています。晩婚化も進んでいます。
普通、家族世帯は個人ごとにポストを持っているわけではないので、複数人で1ポストなはず。すると一人暮らしのポスト数は率でいうともの凄く増える。
こう考えるとポスティング屋の怪しげな体感も説得力を持ちますでしょう?
私がポスティング事業を始めた20数年前は、単身向けアパートマンションは主に「学生」「若い単身者」という括りで済みましたが、今は違う。
調査の通りに、物凄い勢いで増え続けている独居中高年。この方たちの主な住居は駅近に建てられたワンルーム、1K、1DKがメインになるでしょう。
「単身向けアパートマンションの住人は若者」という昔の常識は全く通用しません。
では、統計ではっきり見てみよう。最近ようやくe-statに平成27年度の国勢調査のデータがエントリーされた。
そこで、日野市周辺三多摩地区の単独世帯を町丁別に色塗りしてみた結果が、これ↓。
JR八王子、立川、国分寺、京王高幡不動駅各ターミナル駅周辺は、赤と黄色エリアばかり、赤は、単独世帯の割合が55,6%以上、黄色は43,5%、赤は最低値が55.6%なのだから実際はそれ以上ということ。
学生アパートの多い大学街も赤が多い、創価大学と工学院大学が近い左入、梅坪、滝山。中央明星帝京の三大学のある大塚、東中野地区。などなど。
時系列のデータまでは造りませんが、ほぼこれで、ポスティング屋の体感的な経験が裏付けられたわけです。
ポスティングの配布プランで、この現象に気づかないと、痛い目にあいます。
失敗するポスティングとは
例えば、ターミナル駅前に立地する学習塾が塾生募集のポスティング広告を行う場合、ターゲットはもちろん子供のいるファミリー世帯ですね。また、戸建てに向けたリフォームの広告を撒く場合とか、持ち家資産のある家庭を狙う等々・・注意が必要になります。
八王子駅のようなターミナル駅の周辺は、近隣商業地域で容積率、建蔽率が物凄く緩い。戸建てと空地はどんどん集合住宅に変わり、戸建て自体物凄く少なくなっているのです。まあ、少ないというよりマンション、アパート、オフィスビル、商店、繁華街に埋もれているのです。戸建ては目立つので結構あるように見えますが、実際配るとアパマン※だらけです。
※ポスティング業者はアパート・マンションのことを略して”アパマン”と呼びます。
ターミナル駅周辺で軒並みポスティングを発注すると、ほとんどがアパマンにポスティングされ、戸建てに入るのはほんの一握りになってしまいます。なぜならそもそも95%ぐらいのアパマン率で、加えて単身向けアパマン率がものすごく高い。住民票を実家に置いたままの学生単身者も多いい、この世帯は市の統計調査には乗りません。経験則だと八王子駅周囲のアパマンの半分は単身向け。チラシの約半分は単身者向けのワンルーム、1K、1DKに入ってしまいます。
業者によっては値引きする(安い)代わりに投函率=(世帯数に対する配布数の割合)を抑えて受注します。あなたはこの場合、町内均等に投函率が落ちると思いますか?否、撒き手は誰だって早く仕事を終わらせたいのですから、楽なワンルーム、1K、1DKから配って枚数終了したところで御終いとします。
塾やリフォーム、戸建てやファミリー層狙いの商品で、折込広告の代用物としてポスティング広告を理解して「駅前地域全体に折込広告のように情報を行き渡らせよう。」ということで、値段だけを頼りにポスティング業者を選ぶと失敗します。
私は、ポスティング広告を折込広告の代用物としか考えない思考を「折込感覚」と呼んでいます。
駅前立地の塾が、ポスティング屋に”軒並み全戸撒き”で発注しても、実際入るのが、ワンルーム1DKばかりで、半分以上独身世帯に投函されれば、反応はガタ落ちします。
ファミリー層狙いのポスティング。成功するエリア選定は?
ファミリー層狙いのポスティングで成功するポイントは、まず駅前や学生街に注意しながら、撒き場所を選定すること。対象ターゲットがたくさん住んでいると思われる町丁をGISや都市計画図で見つけ出し順位をつけよう。
そもそも自店の立地がワンルームだらけのエリアだったりもする。もちろんここも含めたければ、町丁ごとだけではなく、戸建て、2LDK以上の分譲マンション、分譲のURや公社、賃貸URや市営都営など、分譲年度、開発年度ごとに優先順位を着けて町丁の住居区分とは分けて仕分けしていく。そして総合的に優先順位の高い順にポスティング計画を組もう。
ポスティングでファミリー狙い。業者選びのポイントは?
こんどは業者選び。ポスティング計画に沿って、ファミリー物件だけをエリア割=部数表で括っている、括れる業者を見つける。
エリア割では団地はUR、公社、都営が仕分けされているか?分譲住宅地はその住区ごとに仕分けされているか?アパート・マンション、戸建て、工場、オフィスが混在しているような場所(一般平場と言います)は、それぞれの括りで仕分け配達できますか?
さらに、ポスティング会社に、撒き先の指示をしっかり出しているか確認することが重要です。
キッチリ「戸建て指定なら戸建てに配る」こと。ファミリータイプのアパートマンション狙いなら「明らかな1ルーム・1K・1DKには入れない」ように予め配達員に指示を出しているか、しっかり確認することが重要です。
ポスティングと折込広告の違いを見極めよう。
ポスティング広告は、配達エリアを恣意的に決めた新聞販売店別の配達エリアから解放できます。町丁などの住居表示ごとはもちろん、開発年度が違う住宅集団や団地別、学区別、国道境界、鉄道境界、河川境界、丘陵境界・・戸建て、アパマン、指定マンション・・自店の立地から近い順、遠い順、競合の周辺etc・・自由に選ぶことができます。
地域や商圏を同一の消費傾向を有する母集団ごとに切り分け、その母集団ごとに順位付けしてみよう。順位の高い順に狙いをつけて予算に合わせて順番にポスティングする。この自由さ、マーケティングプランに自由自在に合わせてチラシを投函できることこそ、折込とは違うポスティング広告の最大のメリットです。
マーケティングプランに自由に合わせられる、そのような注文に応じるポスティング業者は、若干配布料金は高くなりますが、有り余る反応率でカバーできるはずです。
コストに頼むとしても、最低限配布率のチェック、GPSデータ等、配達エビデンスのチェックをしておくことが必要です。
※2017-07-21 国勢調査データ部分は加筆訂正しています。
ポスプロポスティングの特徴は、出社社員によるGPSバイク配達100%。配達ログ完全提出で安心出来ます。
対象エリアの潜在的需要を浮かび上がらせたり、エリアパフォーマンスの計量は、バイク利用で綿密緻密なポスプロ品質が前提になります。