チェーン展開している学習塾のランドマーク↑ BtoBで使います。
弊社では一般的なポスティングはもちろん「リストポスティング」「無記名DM」も行っています。
大変好評を博しているのですが、ビジネスの内容が今一つ皆様に伝わっていないようなので、今回説明したいと思います。
リストポスティング、または無記名DMとは、個人宅、建物、会社などの住所付きリストに応じて、そこにピンポイントでチラシやパンフレットを投函するサービスです。リストで配りますから宛名はありません。
「地図に印を付けて、そこに配るのだろう?」と思われましょうが、その通りと言えばその通り。
ですが、実はシステム上、カラクリを加えて地図を作ります。
地図に印を点けるのを、人力でやるのではなく、機械にやらせるのです。
ポスティングにジオコーディングを活用
皆さんgoogleマップで住所を検索すると、その建物やお店にピンッと水滴型のランドマークが立つのをご存知かと思いますが、あれはジオコーディングという技術を使っています。
ジオコーディングとは、簡単に言えば、住所や地名、施設などの名前を元に、地球上の一地点、つまりジオコード=経度緯度情報を検索する仕組みです。
このジオコードと、建物や住所情報を繋げるのが、ジオコーダーと言われるシステムです。ジオコーダーは住所や建物名などの文字情報とジオコードを、リレーショナルデータベースで繋げ、マップ上にランドマークを立てます。
googleマップの検索機能で住所を検索するということは、googleサイトのジオコーダーアプリを起動し、住所という文字列をキーに、それに対応するジオコードを得ているということになりましょう。
ジオコーダーのデータベースにある地点情報は、正確でなければ使えないのはもちろんですが、地物の変更(名称変更とか、建て直し)に応じて、常に修正メンテされている必要があります。
これが最近物凄く正確になってきて、ビジネスで使えるようになってきました。
元々googleマップがゼンリンの地図をベースに組み立てていることは、ポスティング業者なら地図を見れば一目瞭然な所。
ゼンリンによると、住宅地図の地図情報の更新は「2年から5年ごとに調査をかけデータを更新している。」その調査方法としては・・「すべてローラー作戦的に調査スタッフが現地に足で歩いて調べている。」(※1)ということです。
(※1)『ゼンリン最新の住宅地図とネット地図の秘密』実業の日本社14p~15p
この超アナログな調査を長年続けていることこそが、ゼンリンの住宅地図が官公庁はもちろん、郵便、宅配、新聞始め、全ての宅配業者のスタンダードマップであり続けることが出来た所以でしょう。
ゼンリンは足でマップ上の地点情報、建物名や個人宅の表札情報を登録修正しているのです。
但し、地番錯綜しているような字地区では、こと地図上の地点情報としては限界があった。昔のゼンリンのジオコーダーだとそれをビジネスで使うまでの信頼性はありませんでした。
しかし最近はそうではなくなってきた。
長年に渡るゼンリンの現地調査の集積と最新のGoogleのテクノロジーが結合して出来ているのが現在の”googleマップ=ゼンリンのマップ”だからです。
では最新のgoogleのテクノロジーとは何か?
それはベースのゼンリンマップが住所錯綜で捉え切れていない住所の正確なジオコードや改変の遅れを、googleマップの検索機能を使っている膨大な個人に修正申告をさせているところにあります。
試しに自分の住んでいる住所をGoogleマップで検索してみよう。
検索すると自分の家やマンションに赤い水滴型のランドマークが立つはずだ。ランドマークを右クリックすると・・[地図に載っていない場所を追加] [データの問題を報告する ] といった通知機能が出てくる。
もし、自分の家やマンションにランドマークが立たず、明後日の場所に立つと勿論気持ちが悪い。当然修正したくなる。
これこそ、大変手間の掛かる地図情報の登録・修正・削除・・つまりは、ゼンリンに一任していた更新作業の一部を、全くお金を掛けずにやってのけるカラクリに他ならない。
Googleおそるべし。
Googleマップを使ったことのあるユーザーなら、自分の家やマンション、会社やお店を一回ぐらいは住所で検索するでしょう。その時に全然違う場所にランドマークが立ったり、もう存在しない建物名や会社名が出てきたら、気分が悪いので修正したくなる。そこで無意識に右クリックすると修正申告の通知ボタンが出てくるという寸法だ。
この更新作業が進めば、ジオコーダーの正確性がどんどん増してくる。Googleとゼンリンがコラボしているのは間違いないから、当然ゼンリンの住宅地図や電子地図帳にもそのフィードバックの恩恵は降り注ぐでしょう。
ちなみにしょっちゅう宅配便の到着が遅れたり、メールが間違って投函されてしまう方は、一度自分の住所をGoogleマップで検索してみると良いかも知れない。
今の宅配便やメール便のドライバーは、普通にスマホを持っているので、地図で分からなければ必ずスマホで、主にGoogleマップで住所を確認するはず。その時におかしな場所にランドマークが立てば、そこに行ってしまうことになります。当然家が探せないので持ち戻りとなり、荷物が遅れるし、誤配もありましょう。
結果 ”字日野”を配って何十年、地番錯綜地域のプロ!のようなベテラン配達員に聞いて初めて配達完了となるのです。
行政の区画整理が遅々として進まず、誤配遅配が多発する住所に住んでいる方達は、Googleマップに報告するのも方法かもしれない。そうすれば、数か月後か数週間後には正確なランドマークがGoogleマップに立ち、宅配便、メール便のライダードライバーはスマホで検索し、正確な場所を得ることが出来る。場所探しに苦労しないで済みます。
翌年の住宅地図にももちろん反映されると予想します。さすれば誤配遅延はもとより、住宅地図という社会インフラの整備、運輸業界の生産性、持ち戻りの低下、誤配防止にも役立ちましょうw
話がそれましたが・・
住所データから地図へのマーキングは、このジオコーダーを使います。弊社で使うジオコーダーはもちろんゼンリンの電子地図になります。
ゼンリンの電子地図には、CSV形式でデータ化されている住所をランドマークに落とす機能があるのでそれを使います。
リストポスティングは、指定物件、BtoBではすでに実用段階
指定マンションの配達マップ。
指定マンションは、弊社でリスト化したマンションデータを使います。
八王子・日野・多摩・昭島・立川・国立のマンションであれば、築年別の配達も可能です。
すでに築30年超マンションのリストポスティングも始まっていおり、リノベーターやリフォーム会社様がピンポイント企画で注文いただいております。
お客様が所有するデータでももちろん可能です。
物件募集チラシなら、オリジナルにお客様がチョイスした見込み物件のリストに従ってマーキングします。
下のマップは、三多摩全域に管理物件を抱えるアパートの管理会社が、住民向けに緊急の『お知らせを』配布しなければならない時に使った物です。
googleマップでマイマップ登録。リンクを配達員だけに公開すれば、紙のマップでは縮尺不分明の場所を、自分のスマホで確認することが出来ます。
リストポスティングで使ったgoogleマップ。(アパート管理会社による緊急告知案件)
BtoBの事例では、タウンページから抜き出した特定の業種のデータをジオコーディング、特定の業種向けの営業パンフレットを投函します。
またgoogleマップの検索機能を使い、見込み客リストを作成、そこにポスティングするということも可能です。
無記名DMの可能性はあるか?
個人のDMの場合でも、配るDMリストのデータを弊社に送ってもらう手はずになりますが、データをCSVに変換し、ゼンリンの地図上にマーキング、配達単位ごとに区分けして配達員にポスティングさせるという流れになりましょう。
但し個人宅DMの実績はまだありませんのでご注意を。
リストポスティングGPS実績 (POI記録付き) (アパート管理会社による緊急告知案件)
配達員は、出力した地図のマーキングを確認しながらポスティング。
1件配達するごとに、GPS端末のPOI(※2)ボタンを押して配達地点のジオコードを記録します。帰社後GPSデータをGoogleマップ上にPOIのジオデータと共に軌跡で展開、持っていった数量とPOIの数、軌跡の確認で、正確に配達された場所と配達されなかった場所の確認が得られます。
(※2 )POI とは?
POI は、「Point of Interest」 の略であり、直訳すると 「興味のあるポイント」 ですが、「地図上の特定のポイント(地点)」のことを呼び、地図上で表現できるポイント(地点)であれば、世の中に存在するあらゆるものが POI になりえます。
しかしながら、一般的に POI というと「目標物」を指すことが多く、地図データベースやカーナビゲーションシステムにおいては、店舗や施設を意味し、この数が多いほど情報が豊富であるということになります。
https://www.esrij.com/gis-guide/gis-other/point-of-interest/
私は無記名DMの場合、リストと実配の誤差が10%以内に抑えられれば、受注可能と見ています。100%にするためには、誤字誤植に間違い、リストの正確性が100%担保されること。さらにジオコーダーが100%正確にマーキング出来ることが前提ですが、実際にはまだ不可能。
100%の配達結果を得るなら、記名式のDMに敵わない。しかし無記名DMの場合90%以上の配達率でコスト計算し、低コストに抑えることに意義があります。クライアントは、記名DMと無記名DMのレスポンスをコストと共に検証し、どちらかを選ぶか、または補完的に考えて実行するか、そして使わないかはクライアントの判断ということになります。
無記名DMで情報を受け取る側は、あくまでも単なる投げ込みのポスティング広告としか見えません。記名式の方がはるかに訴求するという意見もありましょうが、一回のコストが記名DMの半分とか1/3であればどうでしょうか?また、見た目単なるポスティング広告なのでリストの出所についてお客様からの問い合わせもないでしょう。
要は媒体としてのメリット、デメリットを、いかにコスト計算とレスポンスと合わせ考え、比較衡量していくかということでしょう。
エクセル、CSVデータで物件リストをお持ちのお客様、リストポスティングを一度検討してみてはいかがですか。
ジオコーダー技術とGPS技術、今後の展開
ジオコーダー技術とGPS技術のコラボレーションは、今後どんどん進んでいくでしょう。弊社のようにマーケティングに応用する会社もどんどん増えると思われます。
アメリカの軍事衛星技術の民間活用で始まったGPS。
サイクリングやドライブ、登山などの記録用として発明されたGPSロガー。
現在のGPSの精度は3m~10m程度の誤差が出ます。
このほど日本版GPS衛星の打ち上げも実現し、今後これが数cmに改善していくそうです。
ジオコーダーの性能は、googleにより、cm、mm単位まで高精細化、さらにマップの3次元化3D化も不可避に進みましょう。
そして、AIに代表される自動運転技術とジオコード、3Dマップ技術が関連しているのは明白です。
機械に配達先のリストを流し込めば、カーナビが最適な配達ルートを設定するということも、もう目の前に差し迫っています。(というか、もうどこかで実現していそう。)
駅構内の宅配BOXにロボットが宅配便を入れることなどは、そんなに難しくないでしょう。
無人タクシーは勿論、無人走行による宅配便の人型ロボットが、mm単位で宅配BOXやポストまで宅配投函作業を行うとか、マンションのベランダの個人宅のドッグに、これまたmm単位でドローンが飛来、荷物やメールを届けるというような、夢のような話も現実を帯びてきています。